ねこになりたい

にゃのにゃによるにゃのための雑多な記録

「クヒオ大佐」を観た。

少し前に間違えて加入してしまったAmazonプライム。せっかくなので期限が切れるまで映画を観ようということで、今日はなんとなく気になっていた「クヒオ大佐」を観た。

 

とにかく、堺雅人演じるクヒオ大佐が胡散くさい。喋り方も佇まいもなにもかもひたすら胡散くさい(クヒオ大佐が結婚詐欺師という事を知って観てるからか、あるいは実話由来の素人の芝居を素人らしく演じる堺雅人や監督の匙加減なのか)。そして、クヒオ大佐のつましい裏の努力やどんどん泥くさくなる話の展開。全編通して大掛かりな長いコントを観ているようだった。これは喜劇になるのかな。滑稽さと悲哀。実在の人物の話と思うとなおさら哀れに思えてしまう。

 

クヒオ大佐が哀れに思えたのは、彼が「理想の自分が居る空想の世界」で生きている感じがしたから。そして現実に生きる人達に空想世界を邪魔されても、その度に辻褄を合わせようとする必死さが哀れで悲しい。当の本人には辻褄を合わせている意識はなかったようにも思える。

 

クヒオ大佐の空想に最後まで寄り添おうとした弁当屋社長のしのぶも哀れ。結婚後を夢見て英会話勉強したり、クヒオ大佐推薦図書の「沈黙の艦隊」を読み込んだり。しのぶは本気でクヒオ大佐を好きだったのかもしれないけど、クヒオ大佐的には彼女は自分の空想世界を彩る登場人物の一人でしかなかったのかも。

 

終盤、しのぶに心中を持ちかけられる場面で、クヒオ大佐が自分の本当の生い立ちを明かす。父親に虐待された悲しく貧しい幼少期の回想映像が流れる中、それとは真逆の幸せな嘘の過去を話してみせるクヒオ大佐。死の間際まで本当のことを話せない、空想に生きる可哀想な人……と、ちょっとしんみりしてしまったけど、いやいやこの過去も空想かもしれないし、それにこいつ心中に付き合うつもりもなさそうだし。

 

でも中盤、ファミレスで幼い子供をなじる父親に発作的に殴りかかるシーンがあるので、その悲しい過去だけは空想でなくて本当だったのかもしれない。虐待と貧しさの過去ゆえに、理想の空想に生きる結婚詐欺師になってしまったのかもしれない。だからって許されるわけでもないけれど。

 

しかし何を置いても、あの白い軍服(レプリカ)、実際は白く綺麗なまま維持するのはかなり大変だったんじゃなかろうか……?映画では常に真っ白だけど、絶対汚れるし黄ばんだりするよね……クリーニング?買い換えてた?ということをずっと考えながら観てた。